千葉県佐倉市 わたなべ司法書士事務所 司法書士 渡辺健治 です。
相続登記などをご依頼いただくと、司法書士は、登記情報提供サービスなどを利用して、対象不動産の登記記録がどうなっているのかを調査します。その際、明治、大正、昭和初期に登記された抵当権設定登記が抹消されずに残っていることを発見することがあります。
例えば、こんな感じです。
古い抵当権設定登記が残っていても、不動産の利用に支障はありませんが、売却するとなると話は別です。不動産業者や買主から抵当権抹消登記を申請するよう要求されます。
では、抵当権抹消登記を申請するには、どうすればいいのでしょうか。
銀行の住宅ローンを完済したときにする抵当権抹消登記を思い浮かべていただければいいのですが、抵当権抹消登記は、所有者と抵当権者が共同して法務局に申請するのが原則です(多くは、司法書士が所有者と抵当権者から委任を受けて申請します)。しかし、古い抵当権だと、抵当権者の所在が不明で、抵当権者の協力を求めることができないケースがほとんどです。
そこで、抵当権者の所在が分からないため、所有者と抵当権者が共同して抵当権抹消登記を申請することができない場合、法律は、所有者が単独で(抵当権者やその相続人が関与しないで)抵当権抹消登記を申請する方法をいくつか定めています。
①公示催告の申立てをして、除権決定を得る方法
②抵当権の被担保債権が消滅したことを証する書面(債権証書、債権及び最後の2年分の定期金の弁済があったことを証する書面)を提供する方法
③被担保債権の弁済期から20年を経過し、かつ、その期間の経過した後に、債権額、利息、損害金の全額を供託する方法
古い抵当権設定登記が残っていることを発見した場合は、ぜひご相談ください。事案に応じて適切なアドバイスをさせていただきます。